京都のあまいもん・・・「一代でひとつの菓子をつくりだす」という信念の賜物。

 

 

 

 

 

**10  「京華堂利保」の たけの露
初春のある日、懇意のお宅で おもてなしいただいた時、お茶のお盆の上に「濤々(とうとう)」という名の和菓子が載っていました。包み紙の清々しい水色に心惹かれ開けてみると、円い麩焼き 煎餅の上に潔い白い渦巻きが描かれています。パリリといただくと、上質の甘みを持った餡の中に独特な主張・・・大徳寺納豆を練り込んであると伺って、さらに感銘を受けました。香味の妙味、類を見ないバランス、この小さなお菓子の持つ歴史、想いの深さにしばし想像を巡らせて、後日 京華堂利保まで「濤々(とうとう)」を買いにいったのです。お店のたたずまいを見ただけでその職人の粋を少し体験させていただけたよう。お菓子の名前の由来は 大波の音を濤々(とうとう)と表現したもので、高松藩松平候が書かれた文字とのこと。ふと見るとガラスケースの中にかわいらしいタケノコと松茸!思わずにっこりしてしまいました。春と秋が仲良く詰め合わせになっているのです。なによりコロンしたその形に癒されます。この「たけの露」ポンと一つ入れたお椀をお客さまにおだしして、なぁにこれ?と言わせてから、お湯を注ぎ・・・さらに 京都のたけのこの里、乙訓、丹波のまつたけなどおいしい話題に花を咲かせようと・・・もくろんでいます。

 

 
★data★ 京華堂利保:京都市左京区二条通川端東入ル難波町 /TEL 075-771-3406

 

 

inserted by FC2 system