01 弘法さんのどら焼き 02 おこた 03 ふたばの豆餅 04 松之助のアップルパイ 05 亀屋清永の清浄歓喜団 06 豆平糖 07 蕎麦ほうる 08 栗蒸し羊羹 09 そば短冊 10 たけの露 11 附子(ぶす)
**01 弘法さんのどら焼き 「 笹屋伊織 」のどら焼きです。 毎月、 20〜22日の3日間だけの限定販売です。 包装に使われている赤は、深いマットな美しい発色で、紙質の風合いと絶妙なバランスです。組み合わせた3色の細紙も粋です。筒型をひもといてたどりついた先は、竹皮に包まれたどら焼き。何層にもなった薄皮の真ん中に餡が守られています。開封しながらすでに引きこまれる銘品。江戸時代末期、京都・東寺のお坊さんが「笹屋伊織」の伊兵衛さんに、副食となるお菓子をつくって欲しいと頼んでできたのがこのどら焼きの始まりだそうです。お寺でもお作りできるようにと、鉄板ではなく銅鑼を使うことを思いついた伊兵衛さんのどら焼きは、たちまち町中の話題となり、お店はてんてこ舞いの大忙し。けれど、手間ひまかけたこのどら焼きは簡単に作れるものではなかったので、伊兵衛さんは困り果て、東寺を開いた弘法大師空海のご命日の21日だけの限定販売を思いついたというわけです。( 現在、限定販売は3日間。 )こんなお菓子にまつわる物語も、( 酒の肴ならぬお茶の友? )味わいのひとつになりますね。